教員を経験して良かったこと
2015/06/20
最初に姉から中学校の臨時採用の話を横流し…
いや打診された時、実はかなり迷って返事を保留にしていた。
当時私は、個人事業で人材派遣のビジネスをしつつ、
少しずつ美容のセミナーやレッスンなども受け始めていた。
非常勤の教員と両立出来ないことはなかったが、
だからと言って話を受ける理由も特別なかったのだ。
むしろ後になって考えたら、なぜすぐに断らなかったか不思議なくらいだった。
姉から話を貰ったその日に、私が人生のメンターと慕う方から、
珍しく電話を頂いた。
「最近どう?」に始まり近況報告を終えると、
「後は僕に相談ないか」と訊かれた。
そこで臨時採用の話を思い出し、迷っていることを相談した。
すると「向こうから来た話はチャンスだから、
嫌じゃないなら乗っかっておくといい。」と言われた。
ついでに「お前のセミナーにお金払って来てくれる
大人と違って、中学生は正直やでぇ。つまんなかったら寝るで。鍛えられて来い。」
(あ、文章にすると解りづらかったけど、この方は関西弁です)とからかわれた。
果たして、その方の言った通りになった。
「つまんなかったら寝る」中学生に鍛えられ、
最初に興味を惹き付ける話し方や、飽きさせないテクニックを学んだ。
語尾が延びる癖も、黒板の字がどんどん小さくなる癖も、
遠慮のない中学生達が指摘してくれなければ気付かなかった。
今なんとか人前で話す仕事を続けていられるのも、
あの時話をくれた姉と、背中を押してくれたメンター、
そして容赦ない生徒達のおかげだ。