教員の憂鬱を吹き飛ばす
2015/06/20
以前もお話しした通り、生徒との関係がある程度出来上がるまでは、
学校に行くのが憂鬱なこともあった。
精神的に追い詰められ、休職や退職を余儀なくされるケースも多いというお話も何度かしているが、
正直あの状況が何年も続いたらと想像すると、そうした教員の現状に妙に納得してしまう。
学校にいる間は息つく暇もない上、生徒達との壁を感じていた。
私の場合は、生徒達と同じ中学生の頃の自分を思い出し、
彼らの立場に立つことで関係を築くことができたが、
そのままスケープゴートになってしまう教員もいるだろう。
毎日が憂鬱になり、そのまま精神を病んでしまうのも想像に難くない。
それだけ中学生は難しいのだ。
何故かと言えば、彼ら自身に余裕がないのだ。
傷付き易く孤立するのが怖いから、
無意識に自分以外に孤立する存在を作りたがる。
そうすれば、手っ取り早く自分が一人になるのを防ぐことができるからだ。
知らないうちにこれに巻き込まれてしまうと、
教員の方が自身に問題を感じ、追い詰められてしまう。
一体どうすれば、こうした事態を避けられるのだろうか。
人は不思議なもので、相手によって態度が変わってしまう。
基本的には穏やかな人なのに、どういう訳かある人にはやたらと高圧的だったり、
なぜかこの人の前だと失敗が増えるというよえなことは、誰でも経験したことがあるだろう。
この役割は、接している間にお互い無意識の間に決めてしまうのだ。
対極にある役割を担うことでバランスを取る。
相手が攻撃的だと卑屈になり、相手が卑屈だと攻撃的になる。
多数の生徒に攻撃的になられると、なすすべなく卑屈になって、
おどおどしたり失敗が増える。生徒は更に攻撃的になり、
教員が更に卑屈になる。
この悪循環を止めるには、「卑屈キャラ」をやめることだ。
一旦落ち着けば、自分がやればできることを思い出し、
余計な失敗することはなくなる。
「どうして生徒が攻撃的になるのか」生徒の立場に立てば、
彼らの不安に気付き、心の余裕が生まれる。
こちらが堂々とすれば、相手は攻撃しなくなる。
もちろん、教員が攻撃側になってしまうこともある。
その時も同じように、「どうしてこの子はこんなにびくびくするのか」
「落ち着いてみれば、この子はやれば出来るじゃないか」と、
相手の立場に立ち、「攻撃キャラ」をやめれば良い。
この考え方は、どんな人間関係にも使える。