教員と生徒のメールのやり取り禁止
2015/04/14
埼玉県教育委員会は、2014年12月、
生徒との私的な連絡にLINEやメールを使用しないよう、
各県立高校に通知した。
もし部活動などで生徒に連絡する必要ながあるときは、
校長ら管理職による事前許可が必要になる。
なぜこのような禁止令が出たかと言うと、
教員から生徒へのわいせつ行為の防止対策のようだ。
県教育委員会が、過去5年間で教員がわいせつな行為したとして
懲戒処分となった22件を調べたところ、
相手が同じ学校の生徒だったケースが約6割の13件、
日頃の連絡手段が無料通話アプリのLINEや
メールなどであったケースが14件あったという。
このため、県教育委員会は、
LINEやメールなどでやり取りすることが不適切な関係のきっかけになっているとして、
教員と生徒の間の私的な連絡を禁止する通知を各学校に出したのだ。
その上で、生徒に連絡する場合は、原則として学校の電話を使うよう指示している。
また、年明けに教職員らに「信頼関係の確立をめざして」と題する小冊子が配布された。
その小冊子には、「免職処分で退職手当は不支給」
「示談金は数百万円かかることがある」などの不利益が列挙されており、
懲戒処分の実例として「28歳で停職6カ月なら生涯賃金が550万円減る」などと書かれていたという。
これはビビるだろう。
生徒と深い関係になることがどれほどのことであるか、
はっきり示すのは有効であると考える。
こうした生徒と教師の間でのメール等による私的連絡の禁止は、他県でも行われている。
広島県や岡山県では原則禁止。
千葉県では管理職による承認のほか、保護者の同意が必要となっており、
神奈川県でも校長の許可が前提となっている。
一方で、教員と生徒とのメールのやり取り自体は
「信頼関係を築きやすいツール」との評価もある。
そのため、埼玉県ではこれまで、
使用にあたって注意を求める程度だった。
しかし、信頼関係を築くためなら、
内容を伝えても問題ないだろう、ということかもしれない。
生徒にとっては、先生が個人的に
自分の相談に乗ってくれたら嬉しいかもしれないが。
しかし、一部の不届きな教員のおかげで
規制が厳しくなるのも、寂しいものである。