教員の離職率
2015/06/21
以前、妊娠出産した教員の復職率が、一般企業の妊娠出産後の復職率に比べて、かなり高いというお話をした。
しかし、数年前に行われたある調査では、入社後3年以内に仕事を辞めた人の業種別割合の調査結果で、大卒では小中学校の教諭や塾講師など「教育、学習支援」が48・8%でワースト1位だったのだ。何年か続けられれば、環境が変わっても何年も勤めやすい仕事である反面、早い時点での脱落者が極めて多い職業と言えるだろう。
現在の就職、転職率から考えて、たった数年で仕事を辞めてしまうというのは並大抵のことではない。まして難関と言われる教員採用試験を通ったのにも関わらずだ。
一体なぜこうしたことになってしまうのだろうか。新任教員は、一般企業の新入社員と何が違うのだろうか。
まず、一年目から担任を任せられた場合、言うまでもなく相当な負担を強いられることになる。それでも、特に問題の無いクラスで、他の教員にフォローしてもらうことができれば、問題なく一年を終え自信に繋がるはずだ。
しかし、新任とは言え「先生」に変わりはないので、教員の世界では普通の職場よりも後輩に対して遠慮しがちだ。新任教員の方から相談を持ちかけられるかどうかが鍵になるだろう。
なんとなく教員になる人はいないと私は思う。きっと夢と希望を持って教員の道を志したはずだ。他の仕事にはない大変さもあるかもしれないが、無理せず周りの助けを借りて乗り越えて欲しい。
また、学校側や先輩教員の積極的なフォローや、都道府県の実施する初任者研修のプログラムも、こうした現状を打破するべく、ブラッシュアップして欲しいものだ。